ハイテクに勝るローテクの話で一番有名な話から書きます。

その昔のソビエト連邦がまだ元気にアメリカと張り合っていた頃の実話ですが、アメリカがアポロでソビエト連邦がソユーズで宇宙開発競争をしていた頃に、乗組員が使う筆記用具が無重力状態でボールペンが使えないと分かった時の対応です。

アメリカは何万ドルもの費用を投じて無重力状態でもインク切れしないボールペンを開発したそうです。

で、対抗馬のソビエト連邦は鉛筆を使うことにしたそうです。

開発費用にしても開発期間にしてもコストにしてもそうですが、いつでも安心して使用することが出来るという点においても、ローテク技術を使った鉛筆が、ハイテク技術のボールペンに勝る事になりましたね。

色鉛筆

最近では赤道直下にある砂漠での発電が盛んになっているそうですが、太陽光パネルを使っているかとおもいいや、そんなハイテク機材は一切使わないで、太陽光でお湯を沸かしてタービンを回して発電する、昔からあるローテクで安定した発電を実現しているようですね。

これも初期投資が太陽光発電に比べて圧倒的に安くて、故障する割合も低くてハイテクがローテクに勝てない典型のような事例です。

沸騰するお湯

情報漏えいとか管理にしても実は手書きの紙を金庫にしまっている状態が一番外部に持ち出しが難しい状態で、パスワードの設定ですとか高度な暗号化技術などハイテクの粋を駆使しても、ローテクそのものな紙に手書きした書類を金庫にしまった状態に勝てないわけです。

ですから老舗の呉服屋さんですとか何よりも店にとって大切な顧客台帳は、絶対に電子化しないで手書きの顧客台帳を防火金庫にしまってある状態以上に安全な保管方法は存在しないわけです。

量子コンピュータ人工知能は判断できるか?

最近この両者がずいぶんと目立った動きをしていますが、量子コンピューター上で動く人工知能が、宇宙に持っていくのに最適な筆記用具を考えた時に答えとして鉛筆を出してくるようでしたら、かなり使えるのではないでしょうか?

身の回りを見回すと実はローテク技術を使った昔の製品のほうが使いやすかったり、本来の目的を達成できる場合も少なくないのですが、何故か宇宙用のボールペンを作ってしまうような事をやってしまいますからね?

商売に当てはめると

大資本とネームバリューで市場を席巻する大企業に日本の中小零細企業は全く太刀打ちできないと思われている分野が多いのですけど、本当に勝つ方法は一切無いのでしょうか?

もしかしたら、それは勝手な思い込みでしかなく実はローテクが勝利する場合も少なくないと思うのです。

国家間におけるサーバー攻撃で最強の国は実は北朝鮮だったりしますからね?
(今だに鉄道ダイヤは手書きですし、インターネットは全く普及していませんから、攻撃されても全然平気なわけです)

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