パイプの曲がり測定と可視化の方法

曲がり具合を確認しながら修正するなら測定器具を機械的に当てて目で確認しながら修正したほうが効率よく作業できるが、成果物や記録としての可視化が必要な場合は簡単な測定器具とExcelで可視化は簡単に出来る。

長くて太くて曲がり具合を簡単に測定できないような場合、水糸を張って目視で曲がりを確認していくという方法が有りますが、何度か回転させていく必要が有って確認作業に時間がかかるという場合が有るようです。

あまり細い水道管のような場合は難しいですが一定以上の太さが有る鉄管や鋼管・銅管には使えると思います。

具体的に写真や図面を掲載する事が出来ませんので簡単なイラストを書いてみました。

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パイプは回転させないで固定した状態で1方向のみ測定します。

  1. パイプに並行してレールを走らせる
  2. パイプの端からの距離とレールからの奥行きの距離及び上下方向の中心点のズレの距離を測定する。
    精度的に超厳密でなかれば目盛りの付いた測定板で可能
  3. 3つの数値データをExcelに入力してグラフデータを作る
Excelをでのデータ入力例
X方向*単位ミリ 0 1 2 1 -2 -2
Y方向*単位ミリ 0 -2 -1 0 0 1
オリジンからの移動量 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000
グラフによる可視化したものはこんな感じ

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  • X方向グラフがマイナス側に来ていればパイプは手前に曲がっていて、プラスに振れていれば向こう側に反っている状態
  • Y方向がマイナス側に来ているとパイプは下に曲がっていて、プラスの場合は上に反っている状態

補正(修正)前に測定して数値を元にしたグラフデータで補正をかけますが、パイプを置いた回転位置は一番下にマークを付けておいたりする必要があります。

XY方向を一度に測定しない方法

一旦X方向の移動量を測定したら90度回転させてから再度測定するという方法でも対応可能です。

精度は測定器具次第ですが

水平方向の距離と中心点の上下方向のズレが正しく測定できれば、かなりの精度が確保できると思います。

最近は三次元スキャナーですとか立体カメラのようなものが出回っていて、製品の検査ですとか構造物の形状を簡単にCAD図面に取り込む事が出来るようになってきていますが・・・機械敵にですとこんな感じでしょうか?

パイプの曲がり測定

円形のものを三次元スキャナーで測定して図面化(データ化)するのは苦手

三次元カメラにしてもスキャナーにしても面を補足して再現するわけでは有りません、点をして測定物を取り込んで、その点データーをあとから面として認識させたり、場合によってテスクチャーを貼り付けたりします。

つまり三次元と言っても丸くなっている部分というのは最初から円形として認識していないのです。

例えばこんな曲面を三次元でスキャニングして取り込むとするとこんなイメージです。

曲面の三次元測定

この赤い点をつなぎ合わせてメッシュ状の面を作っていきますが、この測定点を増やすほど測定物は実物の曲面に近づいてくる事になりますが、あくまでも面の集合体でしか無いのです。

ですので意外と機械的な測定器と人の目を使ったほうが精度も出るしコスト安いし、最短の作業工程で作業を進めることが出来る場合も多いのです。

現場を楽にするIT化の例

現場にパソコンを置くのは難しいとか、熟練職人さんの手間を必要以上に増やしたくないとか管理の問題がある場合、少しだけOT化するという方法あります。

例えば下記のようなフォームにスマホから入力して、事務所でそのデーターを吸い上げて管理したり曲がり具合のグラフを出力する・・こんな簡単な方法が一番楽だったりする場合も有るのです。

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エラー: コンタクトフォームが見つかりません。

入力されたデータは事務所で吸い上げて管理、データを元に図面化

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曲がり測定器具の作成【オーダーメイド】について

全長や測定方法によるたわみの発生や求められる精度によっ制作費がかなり違ってしまいます。

曲がり矯正用の工具について

油圧プレスで押して直す方法が一般的ですが、油圧プレスが使えない鉄製のパイプの場合はバーナー等で熱を加えて修正をしていきます。

力や熱を加えて曲がりを直すには戻りを経験と感によって予測しながら修正を入れていく事になりますが、経験地が非常に大きく物を言う世界になりますね。

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