事業撤退・海外企業に売却
東芝がテレビ事業を海外企業に売却するとのニュースには誰も驚かないと思いますが、個人的な感想としてはそもそも一部上場企業の過半数が株主構成を見る限りもはや日本企業とは言えないのですから、いまだに日本企業みたいな取り上げをするほうに違和感があるように思います。
ただ過去の例から考えますと企業を買収する側の過半数が切り売りされた優良部門を買い取って短期間で黒字化して(元々優良経営な部分ですから難しくない)高値で売却するというマネーゲームもどきの手法が非常に多いように感じるのです。
そもそも企業を分割して売却するのは優良(黒字)部分を残して不採算部門を整理するとか購入希望企業が有れば売却するのが一般的だったと思うのですけど、東芝の場合はまったく逆の事をやってしまっていますが、それは問題が大きいように感じるのです。
つまり黒字部分を残すのでしたら事業継続の可能性が高くなるのですけど、目先のキャッシュを目当てに黒字部門を売却して不採算部門を残しても、何を持って会社を存続させて行くのか全く目処が立たないのでは無いでしょうか?
本来の分割が出来ない?
昔よくあった手法として赤字を集約して切り離す子会社に赤字をそっくり付けて切り離した赤字子会社は倒産させて、残った存続企業は黒字状態で再スタートを切るという手法がまかり通っていましたが、東芝の場合は追加融資の連続でその手法も使えなくなっていたのだと思います。
何故海外企業?
日本企業は長きに渡って株式の持ち合いを行っていまして、まさに護送船団方式で助け合って海外勢と五角以上の戦いをしてきましたが、騙されてとは言い切れませんが国内企業間の助け合いもしなくなって居て、少し前でしたら海外企業に助けて貰わなくても国内企業が助けることが第一前提だったと思うのですが、何故か支援企業として名乗りを上げるのが海外企業ばかりになってしまったのは何故なのか気になるところです。
分割して切り売りするにしてもそっくり売却するにしても、従業員としてみれば同じ日本国内に本社を持つ企業に買収される方が安心できると思いますし、なにしろ海外に技術や人材が流出して不要になったら廃棄されるような懸念が少なくなるのですから、国内での動きに期待したいところですけどその動きは少ないようです。
企業買収の文化
日本には企業を買収する文化が元々無くて、それは会社は従業員のものでも有るという考え方から来ています。(株式会社という発想が生まれたのは英国でしたね)
これはどちらが正しいとか正解とかいう次元の話ではなくて、培ってきた文化が違うという事ですからどちらかに合わせるという必要もないのですけど、何故か欧米に合わせるような風潮が非常に強いように感じます。
個人的に願わくば昔の護送船団方式に戻って欲しいと思うのです。
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