営業力強化と赤字受注と黒字受注
製造業の原価管理を行う際に設備(工作機械)の減価償却というものが有りますが、実はこれを持ち出す事によって原価計算が複雑になるだけならまだしも、問題を引き起こしてしまうと思うのは私だけでしょうか?
工場の年間稼働時間:2,000時間
工作機械の減価償却費(年間):2,000万円
稼働率100%なら1時間工作機械を動かす原価は10,000円/H
ここまではご依存ございませんね?
では稼働率が50%の1,000時間しか動いていなかったら1時間工作機械を動かす原価は20,000円/H
計算上は確かにこのようになりますので機械の稼働率を上げないと製造原価が上がってしまうので、赤字でも受注してきて稼働率を100%にしないとという発想になってしまいます。
確かに正しい原価計算ですが光をそちらに当ててのスタートは個人的に儲かる体質になり難いような気がするのです。
問題:次の中から会社(工場)の理想の状態を選びましょう
- 忙しい【工作機械がフル稼働している】状態で儲かっている【利益が出ている】
- 忙しいくて人も機械もフル稼働しているけど赤字【利益が出ていない】状態
- 暇【工作機械の稼働率が低い】状態で、赤字経営になっている
- 機械の稼働率は70%程度で余裕がある状態で、尚且つ儲かっている【利益が出ている】
正解はない代わりに進むべき理想の状態があるだけなのですが、私は4番を迷わず選択します。
粗利益ベースでの損益分岐点
受注ごとの個別のコスト計算が基礎となる事は当然の話しですが、機械の稼働率によって機械を動かす際の原価が変化してくるというのは、計算上はそうなのかもしれませんが分かりやすく月単位での損益分岐点を明示して社内で情報共有するほうが意志の統一を図りやすいと思います。
固定費(人件費や機械の減価償却など固定でかかる金額)+流動費を月単位の損益分岐点として、粗利益ベースで毎月上回るように営業部門と製造部門が連携していくというほうが分かりやすくないですか?
利益率の高い受注をとれば機械の稼働率がさほど高くなくても利益を確保できますし、稼働率が低い分だけ機械が故障する確立も減りますし、残業代などの流動費が上がる事も少なくなって来るのではないでしょうか?
多くの社員を情報を共有して同じ目標に向かうには単純なほうが良い
機械の減価償却を稼働率で割って・・原価が変動してという風に厳密にやりたい方は全然それが正解だと思います。
ただ、わが社の今月の損益分岐は粗利益は5,000万円です、損益分岐点を1%超える毎に千円の報奨金を支払います!
のほうが単純で分かりやすいと私は思うのです。
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