今から40年ほど前は春闘の時期になるとストライキに突入とか回避とかが恒例行事になっておりまして、交通機関が動いていないという事態に遭遇していますし、大企業でも実際に交渉が決裂してストライキに突入する事態は、それほど珍しいことではなかったと思います。

さてこの原稿を書いている2017年では、まず労働者が経営陣と交渉を行って、その手駒としてストライキ(労働の放棄)を当然の権利だということで行使することは皆無となり、そもそもストライキの意味すらわかっていない人が増えているのでは無いでしょうか?

ストライキが行われていた時代のほうが日本の製造業は強かった?

まぁ朝鮮動乱もありましたしベトナム戦争もありましたし、中国は文化大革命の後遺症が残っていて、日本の製造業を脅かすような製造大国にはなっていませんでしたし、時代背景が違うという事もありますけど、心の中のイメージとして、労働者も主張するような時代のほうが産業として強かったのは間違いないと思います。

それは、働く人が居ないと企業は経済活動が出来なくなるという事がわかっていて、労働者は自分の仕事に自負を持っていて自信があったので、意思表示の一つとしてちゃんとストライキが出来たのだと思います。

ストライキが消えた理由

ストライキを目にしなくなった理由は巷であちこち書かれていますが、要は労働者に根性がなくなったという事では無いでしょうか?

バブルの時代は景気が良くて賃金もどんどん上がって居たので、ストライキを行うような交渉にならなかったのだろうと思いますが、その間に組合と経営側がとても仲良くなりまして、労働者がすっかり会社に楯突く根性が無くなってしまったと感じるのです。

製造業が元気な中国は労働紛争も多い

一時期の勢いに陰りが出てきたと言っても、まだまだ元気な中国製造業では労働者と会社側との紛争が絶えないようです。

無い方が良いのかもしれませんが、ある意味では中国製造業の労働者の活気を表しているのかもしれないですよね?

非正規社員割合の増加について

パート社員として直接雇用ならまだしも、生産の主力が派遣労働者であった場合、職場の上層部と別の場所に本当の雇用主が居るのですから、ストライキを行う環境ではなくなっています。

そんな労働者の分断ということからも、ストライキをさっぱり見なくなってしまいまして、日本の製造業まで元気を失ってしまったのかもしれませんね?

ただ個人的には非正規雇用の労働者こそ声を上げなくてはいけないと思いますし、労働者の半数が非正規雇用だったとしたら、そのストライキの破壊力はとてつもなく大きいのですけどね。

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