自由貿易の矛盾
願いが叶ってドナルド・トランプ大統領誕生しましたのでTPPの発効がほぼ絶望的になったのですが、今回は自由貿易の矛盾点について書いてみたいと思います。
まず全ての自由貿易に矛盾があるという事ではなく、国のインフラが関係してくるですとかTPPのように公共事業を開放しなさいみたいな暴論では矛盾があるという事です。
例えば地方都市が大規模な下水道整備事業を行う事になったとしましょうか?
この場合、地方自治体は基本的に地元中小企業にまでお金が落ちるように配慮するのでありまして、大手ゼネコンが受注した場合でも実際の施工は地元業者が行いますね。
そうすると地元業者が潤って税金の形で国や地方自治体に帰ってきますし、それによって雇用が維持されてやはり税収に反映されるという事ですね。
ところがTPPや変なFTAのようなものに入ってしまって公共事業まで自由競争の原理を国際的に許してしまったらどうなるでしょうか?
そもそも国や自治体が行う公共事業の原資は納税者からの税金なのですから、まったく税金を払っていない外国企業が受注すること自体が最初から間違っているわけです。
さらに公共事業を受注する事によって得る利益の大半は本社が所在する母国に還流しますから、地元業者に発注する場合と、自由競争で外国企業が受注してしまう場合と税収が全然違ってしまうのです。
ですから仮に自由貿易協定のようなもので公共事業まで門戸を開放するのであれば、一定以上の税金を日本に収めている事を最低条件にすべきだと思います。
マスコミの問題
ネットではマスゴミと酷評される事が多いマスコミですが、公共事業の入札を自由化して外国企業をもっと参加させれば発注金額が下がって納税者にとってプラスだなどと本気で考えている単なる経済音痴なのか、別の力が働いているのかマクロ経済をミクロ経済と一緒に考えているような人が多くて困りますね?
ところでEU加盟もそうですし米韓FTAとか自由貿易協定を結んで豊かになった国ってありましたっけ?
俗に国際金融資本と称されるグローバル企業は潤ったかもしれませんが、アメリカを含めて潤った国は非常に少なくて一部の貿易立国、シンガポールくらいしか思い浮かばないのです。
アメリカが巨額の赤字(国債発行残高)を抱えているのはご存じの通りですし、貿易によってGDPを増大させている韓国においても、利益の多くを配当の形で海外に流出させてしまっていますね。
つまり自由貿易というのは自由競争といえば聞こえが良いですけど単なる弱肉強食の経済原理で、特にこれから経済を発展させて工業技術を高めようとする国にとっては、外国企業がどんどん入ってきてしまうのですから労働力としての経済成長は有りますが、豊かな国になるにはマイナス要素が大きいのです。
日本語の自由はリベラルとフリーダムの区別を付けていないから・・・
自由は良いものだ・・・個人的にどちらとも返事できません。
リベラルであれば自分の自由も主張する代わりに相手の自由も尊重するわけですが、フリーダムになると日本語では同じ自由でも、単なる無法者になってしまうからです。
この自由という言葉の区別がないから自由主義とか自由貿易に対して手放しで賛成してしまう方が多いのではないかと思っているのです。
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