その昔の話ですがアメリカの自動車メーカーフォードが創成期にある日突然、社長(ヘンリー・フォード)の大号令で従業員の給料を倍に引き上げた事があるそうです。

その時の説明が労働者も消費者であって、我が社の労働者がフォードの自動車を購入できるようにすれば、売上も増大するという理由でした。

周りの経営幹部はそんな事をしたら利益がなくなってしまって会社が倒産してしまうと、こぞって大反対だったのだそうですが、社長の号令のもと社員の給料は大幅に引き上げられたのだそうです。

その結果は・・ご想像の通りに従業員がフォード車の車をみんな購入に走ったので、社長の予想通りに売上は倍増したのだそうです。

さて新自由主義といいますか、経営の効率化を最大限に追求してですね、結果として人件費を固定費から流動費にして利益を追求するという流れが進められて来たわけですが、今の日本の経済的な状況はどうでしょうか?

派遣労働者の賃金では結婚してマイホームを購入するには厳しいところですし、それよりずっと以前に可処分所得が少ないのですから、経済状況が良くなるわけは無いのです。

実現しないトリクルダウン理論

新自由主義的な経済政策が進められた時に言われた理論にトリクルダウン理論といのがあります。

これはまず経済的に上に位置する、大企業ですとか富裕層に富が配分されれば、やがてその富が雫が下に落ちるように、滴り落ちてやがて全体に行き渡るという、想像上の理論です。

理論通りに世の中が動いていれば、派遣労働者の賃金も上がって日本全体の経済状況も好転していてもおかしくないのですけど、実際は貧富の差が大きくなって二極化が固定化しようとしているのが現状だと思います。

製造業における派遣労働を考える

TPPの方は中心的かつ推進の中心だったアメリカの方向転換が濃厚になってきましたので、先行きは全くわからない状況ではありますが、では派遣労働者やパート労働者の活用から、昔のような日本的終身雇用制度に移行できるかというと、そんな事をしたらコストが跳ね上がってしまって現実的では無いのが現状だと思います。

まず内需を中心とした経済政策にかじを切って、では内需を増やすにはひとりひとりの労働者の可処分所得を増やさないと話にならない、という流れにならないと簡単に改善は出来ないでしょうね?

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