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アメリカだけでなく世界の製造業にも影響するISM製造業景況指数とは?2021年12月から2022年3月の変遷!

ISM製造業景況指数2022

ISM製造業景況指数2022

製造業はあらゆる国において経済的に大きな影響を及ぼします。アメリカでもその影響は大きく、経済の11.9%を製造業が占めています。そのため、アメリカは、景気状況や国内総生産(GDP)、雇用統計などの先行き指標として非常にタイムリーなISM製造業景況指数を毎月調査・翌月発表しています。また、アメリカはGDPランキングトップの経済大国なので、ISM製造業景況指数結果はアメリカのみに留まらず、世界の製造業にも影響を及ぼすでしょう。今回はISM製造業景況指数について解説します。

 

ISM製造業景況指数とは

ISM製造業景況指数とは、米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が公表しているアメリカの製造業の景況感を示す景気動向指数のことです。

翌月第一営業日に発表されるため、国内総生産(GDP)や雇用統計などの先行指標として非常にタイムリーということができるでしょう。この時、商品価格(銀、銅、鉄)の供給状況、価格水準などが公表されます。

以前はNAPM(National Association of Purchasing Management;全米購買部協会)指数と呼ばれていました。2002年1月2日に全米購買部協会(NAPM)から全米供給管理協会(ISM)へ名称が変更されたのでISM製造業景況指数になりました。

ISM製造業景況指数は、製造業約300社以上の購買・供給管理責任者を対象にアンケート調査を実施し、製造業景況感指数(毎月第1営業日発表)と非製造業(=サービス業)景況感指数(毎月第3営業日発表)を発表しています。

ISM製造業景況指数はGDPランキングトップの経済大国アメリカの景況感調査なので、アメリカだけでなく、世界経済にとって重要な数値とされています。たとえば、2021年7月米ダウ工業株30種平均が史上最高値を更新した時に、製造業景況感指数が鈍化しました。このことから、世界全体で停滞感のある景気と株価の乖離による先行きの不透明感が指摘されました。

 

ISM製造業景況指数が注目度を集めている理由

アンケート調査のため他の経済指標と比較して主観的な見解ですが、ISM製造業景況指数が、1931年以来伝統的な米国の景気先行指標として多くの機関投資家やエコノミストから注目度を集めている理由は次の通りです。

 

ダウ工業株30種平均とは

ダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average)とは、米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出する、30の優良銘柄で構成された米国の代表的でクオリティの高い企業の動きを表す、世界で最も有名な株価指数のことです。日本では「ダウ平均」や「NYダウ」と表記されることが多いです。

株価平均型指標であり、構成銘柄の株価合計を「除数」で割って算出します。構成銘柄の入れ替え時や株式分割時などに応じて除数調整を行い、指数の連続性を保ちます。

銘柄の入れ替えは1896年に12銘柄、1916年に20銘柄、1928年に30銘柄へと拡大され、農業/製造業/鉱業中心の構成からサービス業やハイテク企業などが加わった構成へと、米国の主力産業の変遷に合わせて不定期に行われてきました。

輸送業と公共事業はダウ工業株30種平均の算出対象外であり、それぞれ「ダウ輸送株20種平均」、「ダウ公共株15種平均」で算出されます。ダウ工業株30種平均、ダウ輸送株20種平均、ダウ公共株15種平均を合わせて「ダウ総合65種平均」といいます。

 

ISM製造業景況指数アンケート内容と算出方法

実施アンケート調査項目数は10個です。

上記項目を1か月前と比較し、次の3つから選んでもらいます。

回答結果に季節調整を加えた5つの指標を加重平均して総合指数を算出します。

景気の先行きを示唆する景気先行指標なので、指数数値が高ければ高いほど景気拡大のペースは早く、低ければ低いほど景気減速のペースが速いことを示しています。

50%を景気の境目とし、類似統計である日本の「日銀短観」とは異なり、ISM製造業景況指数は0から100までの%で表し、次のように判断されます。 

アンケート調査は項目ごとに公表されており、その詳細を確認することで、経済の実態をより正確に把握できるでしょう。

 

ISM製造業景況指数計算例

ISM製造業契機状況指数は次の計算式で求められます。

【ISM製造業景況指数計算式】(良い%)+(同じ%÷2)

たとえば、アンケート結果が以下の通りだったとします。

計算式は【30%+20%÷2】となり、ISM製造業契機状況指数は40%になります。この場合、数値が50%を下回っているため、景気後退と判断されます。

 

日銀短観とは

日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は、日本銀行が統計法に基づいて行う統計調査のことです。ゼロを分岐点とし、+(プラス)、-(マイナス)で表されます。日銀短観は企業活動全般にわたる次のような項目について調査しています。

全国の約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施することで、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することが目的です。

 

2022年のISM製造業景況指数

2021年12月のISM製造業契機状況指数は58.7%でした。製造業の良好な拡大は続きましたが、先月に比べると2.4ポイント低下し、ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(60.0程度)を下回りました。新規受注が60.4%、生産が59.2%、入荷遅延が64.9%に低下し、雇用は54.2%と4か月連続で50%超えになりました。

この結果により以下の事が予測できます。

価格の落ち着きと雇用増加は明るい兆しなので、企業は2022年に強気の見通しを持っていると推測できますが、実際2022年のISM製造業景況指数はどうだったのでしょうか。2021年12月から2022年3月までのISM製造業景況指数の推移は以下の通りです。

 

年月 2021年12月 2022年1月 2022年2月 2022年3月
ISM製造業景況指数 58.7% 57.6% 58.6% 57.1%

 

1月のISM製造業景況指数

2022年1月のISM製造業景況指数は57.6%へと低下し、2020年11月以来の低水準となりました。新規受注が56.4%、入荷遅延が64.6%、雇用が54.4%、仕入価格指数が76.1%でした。

また、非製造業景況感指数も59.9%と前月の62.3%から低下し、11か月ぶりに低水準となっています。製造業・非製製造業は以下の要因により共に活動収縮に繋がったとされています。

1月の調査結果から、オミクロン株感染長期化や新たな新型コロナウイルスが発生した場合、人材不足やそれに伴う供給制約により、景況感指数はさらに低下する可能性があると推測されました。

 

2月のISM製造業景況指数

2月のISM製造業景況指数は58.6%へと上昇しています。ただし、雇用の増加ペースは鈍化しています。新規受注が61.7%、受注残指数が60.0%、入荷遅延が66.1%に上昇し、雇用が52.9%、仕入価格指数が75.6%に低下しました。

この結果により、供給が非常に制限された環境下で、投入コストの上昇継続とともに製造業の景況感が好調であり、サービス需要が回復してもモノへの需要は引き続き堅調に推移し、当分高インフレが続く可能性があると予測できるでしょう。以下のような要因により、今回の結果につながったとされています。 

 

3月のISM製造業景況指数

3月のISM製造業景況指数は57.1%と先月よりも低下しました。市場予想(59.0%)よりも予想に反して低下しましたが、製造現場は雇用増加により受注に対応しました。雇用が56.3%、仕入れ価格指数が87.1%に上昇し、新規受注が53.8%、入荷遅延が65.4%、受注残指数が60.0%に低下しました。以下のような要因により、今回の結果につながったとされています。

また、以下の要因により製造業の減速に繋がったとされています。

 

まとめ

ISM製造業景況指数について解説してきました。以下まとめになります。

製造業は国において重要です。しかし製造業は新型コロナ等により非常に影響を受け、左右されます。しっかりとISM製造業景況指数結果から今後の製造業景況感を分析・把握することでアメリカ経済だけでなく、世界的な今後の改善点などが見えてくるかもしれません。

 

 

 

 

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