バブル経済が終焉を迎える頃からだと思いますが、人材の流動化と言いますか人件費を固定費から流動費に変えることが企業の体質を強くするみたいな事を堂々と言い出す人たちが現れまして、それに本気になって取り組んでしまった企業で発展したところは果たしてどのくらい有るのでしょうか?

人件費を流動費にする事を推進していた人たちの中には人材派遣業の関係者もいたようですが、勘ぐれば日本の製造業の競争力を低下させる事が目的だったようなカがしないでもないです。

つまり仕事量が多い時には多くの派遣労働者を受け入れて、逆に仕事が少なくなった時には労働者を減らすことによって余計な人件費支出を削減するという考え方です。

確かに理論上のソロバン勘定だけでしたら正しいように思えるのですが、そんな事をやっていたら労働者の質は上がりませんし、会社に対する忠誠心も確保できませんからね?

日本の製造業の強さは人材に尽きると思います。

人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なりは武田信玄の有名な格言ですが、これを製造業の現場に置いて考えてみますと、どんなに最新鋭の工作機械を導入しても、人材が育っていないとまともな高品質な製品を安定して製造できないという事になります。

話は昔のアメリカの話に飛びますが、自動車王と呼ばれたヘンリー・フォード(創業者)が唐突に社員の給料を倍に引き上げた話がありますよね?

労働者も消費者であって従業員が自社の自動車を買えるようにしないと売上は伸びないとの持論で、周りの猛反対を押し切って強行したのだそうですが、結果はフォードの目論見以上のもので売上が倍増しましたよね?

現代の製造業がすっかり影が薄いアメリカでも唯一と言ってよいほど生き残っているのが自動車産業ですが、その秘訣は昔のフォードが行った英断なのでは無いでしょうか?

人の出入りが激しい企業は業績が良くないという公理

昔から人の出入りが激しい会社はろくなものじゃない(最近ではブラックと呼ばれている)と言われていますが、人材を流動化させるといのは、出入りを率先して激しくするということでは無いでしょうか?

別に外部の人に見えないところで作業しているだけなのだから、構わないなどと思っていてもいろいろな意味で人の出入りが激しい会社というのは安定しないものです。

安定した人材が安定した受注を生むという考え方もあるのでは無いでしょうか?