製造業はモノ作りに関わることができ、未経験者OKの仕事も多いため、世代問わず経験者から未経験者まで幅広い人材が集まっています。しかし、製造業は直接モノを作り出すだけでなく、かかわる職種は非常に多岐に渡り、仕事内容も様々です。そのため、未経験者の方でモノ作りには興味あるが、希望する職種や志望動機に悩む人は少なくないでしょう。

希望の製造業会社へ就職を決めるためには、まず意欲が伝わる志望動機がかかれた履歴書などの書類が採用者の目に留まる必要があります。今回は製造業未経験者向けの志望動機のポイントについて解説します。

 

製造業未経験者が志望動機を書く前に準備しておくこと

希望製造業会社へ就職するには、まず書類審査を突破しなければいけません。そのため、志望動機を含む履歴書は自分以外の人が読んでも意味や熱意が伝わるものにする必要があります。事前準備として、まずは製造業とはどういうものなのか、どういう特徴があるのかリサーチを行いましょう。

 

製造業とは

製造業とは、食品、洋服、家電、情報機器、自動車など、日常生活に役立つ、豊かにする、私たちの生活に欠かせないモノを工場で生産し、販売する企業や業界全般のことを指します。家やビルの建物、道路の建設などを行う建設業や、飲食店などの飲食サービス業も、モノを作る仕事ですが、製造業には含まれません。

製造業は小さな町工場から最新設備のグローバルな企業までたくさんの企業や人々が関わり合って成立しています。生産された製品が消費者の元に届くまでの多くの工程には、多岐にわたる職種の人が関わっています。そのため、製造業は生産するものや職種によってやりがいや大変さ、雇用形態が異なってきます。

工場勤務の場合、雇用形態は正社員、派遣、バイト、パートと様々です。製造ラインが常時稼働している工場の場合、稼働時間に合わせて交代シフト制を取っており、短時間勤務や土日のみ勤務、夜間勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。

 

製造業が未経験者にオススメな理由

私たちの生活の基盤となる製造業は、求人欄に未経験者OKと書かれていることが多く、他の業種に比べて未経験者でも就職・転職しやすい業種かもしれません。製造業が未経験者にオススメな理由は以下の通りです。

機械化やデジタル化により未経験者でも努力次第で技術習得可能

機械化やデジタル化が進む現代において、製造方法の自動化や工程のマニュアル化が進んでいる所が多く、未経験者でも努力次第ですぐに技術を身に着けることができます。そのため、手に職のある技術やスキルを身に着けたい未経験者に製造業はオススメといえるでしょう。

前職で得た知識やスキルにより、経験者同様に優遇される可能性がある

製造業に携わりたいが営業から設計へ転職するなど、別の職種へチャレンジ転職する場合、その職種に関して未経験者となります。しかし、前の職種で得た製造業界の知識やスキルにより、経験者同様の優遇を受ける可能性があります。そのため、製造業は同じ業界に携わりながら新しい職種に転職してみたい未経験者にオススメといえるでしょう。

 

製造業の主な職種を把握する

製造業の全体像が把握できたら、次は職種分析をしていきましょう。それぞれが担う役割を深く知れば、求められている人物像が見えてくるはずです。

製造業にの職種は、営業、商品の企画・開発、デザイン・設計、事務など、多岐にわたりますが、医療や機械などの異なる業種でも、仕事内容や流れは共通していることが多いです。製造業の多用な職種のうち、製品が作られ販売されるまでに関わる主な職種は以下の通りです。

企画

企画はヒット商品をリサーチし、アイディアを企画書に落とし込んでまとめる職種です。製品がヒット商品になるかどうかは、企画次第といえるでしょう。

開発

開発は企画書を元に、必要な情報や技術などを明確化し、実際の商品化に向けて知識を絞り、商品を形にする職種です。企画書通りの商品が開発できれば、革新的な商品を生み出すことができるため、開発は製造業の花形ともいえるでしょう。

設計

設計は企画と開発で具体的にイメージ化された商品を製造するための設計図を作成する職種です。より安く、高品質な商品製造のための知識や技術の工場が必要不可欠となる職種です。

製造

製造は設計図を元に実際に商品を作り出す職種です。設計図通りに製造できない場合、問題点をあげ、成功するまで何度も繰り返します。そのため、製造には正確さと根気が求められますが、自分の手で作り上げたものが世の中に出回るという感動を味わえる職種です。

検査

検査は製造された商品に欠陥や不備がないかチェックする職種です。機械で発見できない微量な欠陥などを見つけるために、最終的に人の目でチェックします。検査は商品の品質性を高く保つことにおいて、重要な職種といえるでしょう。

管理

管理は顧客からのクレーム処理からの改善や職場同士の対立調整など、商品の品質向上や現場の業務効率アップなどに務める職種です。様々な立場から意見を吸い上げ、うまくいくように調節するのは管理の能力次第なので、企業にとって潤滑油のような存在といえるでしょう。

営業

営業は出来上がった商品を顧客へ提案し、販売開拓する職種です。市場トレンドや顧客ニーズのリサーチを行い、どうすれば自社製造商品が売れる見込みがあるのかを提案します。コミュニケーション能力などが求められますが、提案のやり方次第で自社製造商品が大ヒット商品になる、やりがいのある職種です。

販売

販売は世に出回る最終段階を迎えた自社製造商品の販売に関わる職種です。店舗販売やネット販売、実演を取り入れたPRなど、商品の魅力を最大限に引き出す販売方法を考えます。

 

製造業で求められる適性を踏まえて自己PRを考える

製造業で求められている適性を知り、自分がどのような点で製造業に適しているのか考えると、志望動機が書きやすく、面接でも自己PRがしやすくなります。製造業で求められる主な適正は以下の通りです。

  • モノづくりが好き
  • 仕事を真面目にコツコツと正確に取り組める
  • 会社を休まず真面目に出勤できるなど、健康面と体力面に自信がある

 

自己分析・業界分析を徹底する

求められる適正が把握できたら、自己分析・業界分析を行います。

  • 自己分析:自分の長所と短所、製造業の適正に自分は当てはまるのか、志望企業が求める人物像に合致するかなどを分析し、そのために足りない知識や経験を補うことが大事
  • 業界分析:企業理念や積み上げてきた実績など、何を成し遂げようとしているのか、その企業が歩んでいる道のりなどをきちんと分析し、理解することが大事

 

製造業の志望動機を書く際のポイント

事前準備を終えたら、実際に志望動機を書き出します。その場合、良い印象と熱意を受け取ってもらうために、以下のようなポイントを押さえましょう。

自分の主張ばかり押し付けず、明確に適度な長さを心がける

企業によって採用担当者は一日に何十通もの履歴書に目を通します。数ある履歴書の内、志望動機が端的で短すぎても熱意が伝わらない可能性があります。

また、志望動機に個人的な要望や、労働環境、給与、福利厚生関連に対する主張を盛り込むと、条件面目当ての応募だと誤解されてしまう可能性があります。なので、志望動機はわかりやすく、読みやすい適度な長さを心がけ、製造業や相手企業への前向きな思いをアピールしましょう。

人間性がわかるエピソードを織り交ぜる

数ある業界の中から何故製造業を志望するのか。その理由が「モノ作りが好きだから」だけでは弱いため、好きになったきっかけなど、自分らしさが伝わるエピソードなどを交え、一歩踏み込んだ志望理由を書きましょう。例文をそのまま使うなど、無難な志望動機は具体性に欠け、熱意を感じ取ってもらえない可能性があります。なので、人柄や人間性が伝わるエピソードを絡めた志望動機を書くと、製造業への情熱が伝わり、良い印象に残る可能性が高くなります。

自分にとって唯一無二である理由や熱意を伝える

日本全国にある製造業企業から、何故他ではなくその企業を選んだのか、多岐に渡る職種の中何故その職種を選んだのかを明確に伝えましょう。企業理念やビジョン、実績などを理解した上で、他社ではなくその企業が自分にとって唯一無二である理由や熱意を伝えることが重要となります。

簡潔で具体的な自己アピールで「この人と一緒に働きたい」と思わせる

採用担当者が志望動機で見ている点は以下の通りです。

  • 具体性がなく、今後のビジョンが見えにくく、やる気が感じられるか
  • 会社の経営方針や社風と合っているか(合わないとすぐに辞めてしまう可能性がある)
  • 将来性、即戦力性はあるか

企業側は未経験者であっても、業界や職種に対して熱意があり、自社の戦力として貢献してくれる人材を求めています。つまり、志望動機で一番大切なポイントは「この人と一緒に働きたい、この人は自社にどんな貢献をしてくれるだろう」と採用担当者に思わせることです。

そのためには、簡潔で具体的な自己アピールから、採用担当者が一緒に働くイメージがしやすい志望動機を書きましょう。

 

まとめ

製造業未経験者向けの志望動機のポイントについて解説してきました。以下まとめになります。

  • 自分以外の人が読んでも意味や熱意が伝わる志望動機にするには、製造業界リサーチなどの事前準備が必要
  • 製造業で求められている適性を踏まえた上で自己分析・企業分析を行い、足りない知識や経験を洗い出し、自己アピールを考える
  • 適切な長さで、わかりやすく具体的で人間性が伝わる自己アピールにより、採用するメリットや一緒に働くイメージを採用側がしやすい志望動機を目指す

未経験者にとって製造業は未知であり、何を書けばいいのか悩むかもしれません。しかし、まず履歴書による書類選考突破しなければ面接を受けることすらできません。志望動機は熱意や個性をアピールできる絶好の機会です。具体的でわかりやすく、その企業・職種を志望する理由と人間性が伝わるエピソードを加えることで、「この人と一緒に働きたい」と思わせる志望動機づくりを心がけましょう。