他のサービス業などの業界と違って製造業でいわゆるBLACKなレッテルを貼られた事は私の知る限り無いという、まことに素晴らしい業界が製造業なのですが今回のコラムでは残業と人事評価について書いてみたいと思います。

まず製造業の場合は残業が見積作成ですとか原価管理に大きく関係して来るわけです。

例えば試作品の製作見積りで段取り時間とか加工時間はすなわちコストに直結してくる人件費という事になりますから、予定した時間内に加工作業が終わらなくて残業になってしまった場合、単に残業代が増えたという単純な話ではなくなって来るわけです。

見積りをする段階で段取り時間(セッティング)にかかる時間を間違えたのか、または見積りは間違いないが作業者の段取りに問題が有って予定時間に終わらなかったのでは、人事評価が180度違ってきてしまうわけです。

人事評価の事はさておきまして残業時間が多い時に、単に時間内で加工が終わらないほどの受注が来ている場合(この場合は利益が出ている状態だと思います)、または見積り段階で想定していた作業時間で終わっていない(赤字になっている場合が多いです)を把握する必要があります。

気持ち的には遅くまで残業して工作機械がフル稼働している状態ですと何だか安心してしまいがちなのですが、忙しい割に全然儲かっていないという状態は、実はこの機械がフル稼働していて社員は毎日残業で仕事に追われている状態に単純に安心してしまうと出現するように出来ているのです。

残業が多い時は原価管理を見直すサインかも?

これは見積りやコスト計算段階で算出した時間内に作業がオーバーしているか、実際はもっと短かい時間で終わっていないかをチェックする事になります。

場合によっては段取り以前に整理整頓を徹底するとか、初歩的に処理前と加工済みの図面の置き場などのルールをしっかり決めるだけで、残業時間が激減したという事も有るようです。

そうなる前に普段からの管理をしっかりやっていれば無問題という事ですが、どうも予想以上に残業代の支払いが多くなってしまって、フル稼働している割には利益が会社に残らないような場合、コストの算出ですとか段取り方法などを見直す良いチャンスだと思うべきでは無いでしょうか?

追伸

日本の悪しき習慣として残業を見込んだ状態で生活設計をしているという人が少なくないようですね。

そうなると残業を激減させると生活が苦しくなってしまう社員が出てきてしまう事になってしまいますが、悪しき習慣はなくす方向で動いていかなくてはいけませんよね。

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