同じものが他にあれば安いほうを買うというのが消費者心理の王道ではありますが、世の中には安くしてしまったら逆に売れなくなる製品も数多く存在いたしまして、それを間違えてしまって単価が下がって、利益率も下がって更に販売個数までジリ貧になってしまったという例は少なくないのではないでしょうか?

というのはブランド品でよくご存知だと思いますが、ブランドが確立する前の新製品の段階での金額設定でつい間違えを犯してしまう場合も少なくないと思います。

例えばそうですね金属を加工してゴルフパターを作ったとしましょう、材料費とか加工費や人件費を含めて、製造原価は2千円だったとします。

ゴルフクラブ

では原価率50%として一本4千円で販売すれば良いかというと、趣味の製品ですからあまり安いと富裕層は最初から見向きもしませんし、まぁ最初から安っぽく見られてしまいますから原価を考えないで高く売る方法を考えなくてはいけませんよね。

そのあたりはメーカーの販売促進部署の方たちは良く分かっていて、原価2千円のクラブを3万円で販売するために、広告塔としてプロを使ったり専門誌に広告を出したり、ひそかにステルスマーケティングに勤しんだりいたします。

比較データーは有りませんがたぶん4千円で販売した場合の10倍以上の販売を3万円で売価設定したほうが売れるでしょうね?

高く売るための能書き

老舗料亭の会席料理では全ての提供物に能書きが付いていると言う事ですが、ちょっとした加工品であっても精度管理ですとか検査体制ですとか工程管理の状態ですとかでっち上げる必要も無く、高く売るための能書きをつける事は可能だと思います。

原価管理?何それ?美味しいの?

良い製品を安く早く作るために原価管理や製造工程の管理や改善は非常に重要な事ですが、時にその延長上で販売価格の決定や価格交渉をしてしまうのは問題だと思います。

価格交渉

と言いますか価格競争に打ち勝っていかなくてはいけない商談と、交渉して利益を上乗せすべく考えなくてはいけない製品やサービスを切り分けなくてはいけないという事です。

他社に無い加工技術は当然の事ですが急ぎの仕事

他社に無い加工技術でしたら強気の交渉が出来るのは理解されていると思いますが、急ぎの加工仕事の場合はどうでしょうか?

特急料金を設定している加工工場もありますし、断っている工場も有るでしょうし、割り増し無しに受けていらっしゃる工場もあると思いますが、急ぎの納期対応でしたら価格交渉の理由は付けやすいですよね?

急ぎの加工作業に対応するために実際はどうあれ残業が発生するような場合でしたら、「はい、社員を残業させて貴社のご希望納期に間に合うように作業します!ただ申し訳ありませんが残業によって残業代が発生する分だけは加工料金に上乗せさせていただけると大変助かります・・・」

という事でしたら理屈は通っていますし、高いイメージは無いですし、逆に高くしなかったらもしかしたら暇な工場だと思われてしまうかもしれませんよ。

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