接待営業の方法とコンプライアンス
先の報道でパナソニック社員が海外で接待を受けていたという事で社内的に処分したとの事ですが、法律に違反したわけでなく、社内規定(コンプライアンス)に抵触した事でマスコミで公開されたという事に違和感を覚えた方もいらっしゃるようですね。
それはさておいて今回は接待営業の方法とコンプライアンスについて書いてみたいと思います。
まず接待営業といっても大雑把に分類して2種類あります。
A)受注前段階で購入(決済)担当者を接待して、その見返りに注文をもらう。
B)既に受注済みまたは取引継続中の状態で納入業者が担当者に対して接待を行う。
バブル経済真っ盛りに接待交際費を使っていた方ならわかると思いますが、バブル経済が崩壊してコンプライアンスという言葉が一般的になる前までは、接待交際の王道は前者(A)の方法でして、正しく接待交際費を使ってその何倍もの利益を会社にもたらすという接待交際でした。
ただこの王道の接待交際を駆使して受注できる営業マンはごく少数の限られた精鋭の人だけの技で、大部分が後者のBタイプの接待交際でした。
話を現代に戻しますと、さすがに日本国内ではAタイプの接待営業はやりたくても、受け入れる相手がなかなか居ない状態になってしまいました。
コンプライアンスを定めている企業でしたらAタイプは絶対厳禁ですね。(当然、接待交際費にかかった経費分が見積金額に上乗せされると考えられますから)
さて日本において接待交際費がネガティブに捉えられるようになってから10年以上になりますが、じゃあそれで何かプラスになった事が有るかと聞かれたら、コンプライアンス的に成長した反面、零細飲食業に壊滅的な打撃を与えて経済が沈んだようにしか思えないのです。
なのである程度の接待交際費は潤滑油的な必需品だと思っていますので、接待交際費の使い方と言いますか方法を書いてみたいと思います(基本は私の昔の経験や体験です)。
Bタイプの接待交際と定期的な懇親会
例えばメーカーと納入工場(下請けという事になりますね)で年に一回から二回のペースで意見交換会ですとか技術的な勉強会を開いて、一緒にお疲れさん会を開く・・・ってこの手の懇親会は日常的に昔はやっていたのですが、このレベルであっても余りやらなくなったようですね。
名産のお菓子などのお土産を持参する。
これって人付き合いをする上で基本的かつ当然の行為と考える事も出来るのですが、どうお考えですか?
個人的には日本企業を衰退させたいと思う誰かが接待交際文化をなくそうと考えていると邪推してしまったりもしてしまいますが、景気が良かったから接待交際が多かったのではなくて、接待交際が活発だったから景気が良かったと考える事も出来ると思うのです。
思うにコスト第一主義とかドライな人間関係(助け合いがなくなるわけです)の進行によってコンプライアンスという大義名分で適度な潤滑油としての接待交際までなくなってしまいそうです。
では人間的なコミニュケーションが不要な人工知能を搭載したコンピューターが営業も購買担当も受け持って、販売もIAでも自動販売機でも良いとは思えないのです。(人と人が仲良くなったら自然と食事を一緒にとかお土産をとかなるのが自然ですよね)
まぁ一対一でこっそり営業マンと購入担当者が接待しているような事はなくしていくべきだと思いますが、オープンにできるような懇親は灯を絶やしてはいけないと思うのです。
追伸 日本最古の接待と海外におけるトラップ
文献として残っている日本最古の接待はどうもイメージが良くないのです。
地上に降りたスサノオノミコトがヤマタノオロチに酒を飲まして清々しいだまし討ちで草なぎの剣を手に入れる。
これが日本国内の地上での初の接待だと思うのですが、それはさておき海外で変な接待攻勢に引っかかってしまうジャパニーズ・ビジネスマンは意外と多いようですね。
いい気になって飲んでいると、いつのまにか気を失っていて気が付いたら女性と一緒にベットにいて写真を撮られていましたとか。
つまり接待ではなくトラップに引っかかってしまうという事です。
私は経験ありませんが海外に出たときは注意しましょうね。
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