新人教育と競争力
人の定着率だったり愛社精神の度合いだったりというパーソナルな部分から、企業全体の総合力まで新人に限らず人を育てて才能を伸ばすことが出来るかどうかという能力にかかっています。
よく、今度入ってきた新人は覚えがいいとか、どうも要領も覚えも悪くて使えないといった話がありますよね?
伸びない会社
あいつは使えないという烙印を押すだけで個人の悪口で終わってしまう。
伸びる会社
もしかしたら教え方に問題があるかもと考えて、マニュアルを整備したり教育カリキュラムを見直したり、教え方を工夫してみる。
そして、物覚えが悪い分からず屋が入社してきたことを、自分の会社の新人教育のレベルアップさせるために、わざと送り込まれた試練だととらえて成長しようとする。
どうですか?
貴方の会社はどちらに当てはまりますか?
覚えが悪い新人の出現を自社が成長する種と考えるのか、まるで無意味な事を考えてしまうのかの違いは非常に大きいのです。
腕より機械みたいな部分も確かにある製造業ですし、正社員をパート労働者に置き換えても今までどおりに製造が出来るから、社員教育はそれほど重要ではないと考えてはいないでしょうか?
マニュアルや教え方を工夫して新人教育の時間を半分にすると、それだけコストも下がるといった現実的な事も有りますが、もっと大きな部分は競争力だと思うのです。
工作機械は銀行から借り入れしても導入できるのですけど、人というのは育てないとだめでどこかで買ってくるというわけにはいかないのです。
1000万円出して他社から引き抜いてくるという方法も有りますが、やっぱり強いのは生え抜きとして育ってきたプロパーな人ではないでしょうか?
ワルラスの法則とスロースターター
入ってきたときは要領が悪くて手を焼かせたなんて社員が意外と他の同期が辞めていく中で、ちゃんと会社に残って要になっていたりする場合が多いのです。
逆に要領のいい社員はさっさともっと待遇の良い企業に転職してしまったりする事も多いのですね。
さて近年日本の製造業は人件費の安い海外に仕事を随分と奪われてしまいましたが、人件費が高い我が国が目指す必要が有るのは、勝てないコスト競争に入っていくよりもコストに見合った能力を持つ人材ではないでしょうか?
それを忘れてしまった日本製造業の未来は暗いと思います。
だって使えない新入社員の事を何時間愚痴っても会社は1ミリも成長しないで、生産性が落ちるだけの話ですからね。
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