仮に製造現場の無駄な部分を闇と表現しますと、闇は光を当てると消えるということで、今回のコラムはコスト削減と見える化の方法について書きます。

見える化の光

コスト削減のための見える化は2ステップです。

一つは全く丼勘定でまったく現状が把握できていない状態をちゃんと現状把握する見える化と、管理部門は把握しているけどそれ以外の社員は把握していないから見える化しましょうという場合です。

現状把握は意外と難しい

電気料金の請求書をグラフにするくらいならまだしも、工作機械毎の稼動状態ですとか待機電力を把握してですとか電気料金一つでも相当の手間がかかってしまいます。

何だか仕事もしないで経費のチェックばかりしている・・そんな事をやっているのなら仕事を手伝うなり加工品の受注を1つでも取ってくればいいのになんて陰口が出てしまうようなら、入り口の段階で失敗しているという事になります。

従業員の中にはコスト削減で人件費も?と考えてしまう人も出てきてしまいます。

経費削減を提案するコンサルタントの中には外国人研修生を使えばとか、人材派遣を活用して固定費を流動費にしましょうみたいね、果たして社員全員の幸福追求なのか企業の活力を奪いたいのか、理解に苦しむ用な提案を目にする事がありますが、経費削減の目的は何ですかという事から従業員に明示する事が必須では無いでしょうか?

特に日本ではリストラ(リストラクチャリング)が単に人員削減の意味になってしまっています。

なぜならば何でそこに手をつけるの?みたいな経費削減をやってしまって会社の元気がなくなってしまう場合も少なくなくて、その筆頭が人件費の削減なんですよね?

残業代の削減で考えると

見える化の王道と言えば壁に張り出すという方法ですが、残業代を削減しようとして成功したら、従業員としては収入面だけを見ると手取りが下がってしまってメリットは全く無いわけです。

また正社員を削減してパート社員に置き換えるような手段も問題が有ると思います。

目的と社員に還元を明確にすると見える化せざるを得なくなる

売上を100万円あげて利益を10万円確保することと経費を10万円削減した場合と結果としては同じですが、売上を上げるほうが何となく格上みたいな感じでボーナスなどで社員への還元を実施している企業も少なくないと思います。

例えば恒久的に経費削減3%成功したら特別賞与を出す等の方針を打ち出したとしたら、社員としては自分の収入に直結してきますから、今度は社員の方から壁に張り出して見える化してくれないとやる気が出ないという事になる可能性もあるのです。

見える化イコールOA化では無い

見える化する為に何か機器を導入するというのは最後の手段だと思います。

見える化する鉄則

いいですか?まず見える化する方法の鉄則はまずは1円も使ってはいけないという事です。

1円も使わないで見える化を行って経費削減が出来ない企業というのは投資をしても経費削減は失敗します。

そもそも経費を削減しようとして居るのですからまず最初は1円も使わないで何が出来るのかを社員全員で考えて実行して成功させる事が出来て初めて、何か投資して見える化するなり経費削減策を打ち出して成功できます。

でないと、システム屋さんのいいお客になってしまうのがオチだと思いますよ。

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