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一時期、様々な分野においてアウトソーシングが流行り病のように広がりまして、中でも製造現場は現場作業者をそっくりアウトソーシング(派遣労働者の導入)してしまう事が当たり前のように行われまして、まぁ株主からのコストダウン要求が有ってという場合が少なくないようですが、目に見えない帰属意識とか愛社精神みたいなものがすっかり無くなってしまって、という事例は山ほどありますね。

他にも製造現場そのものを外部(人件費の安い東南アジア各国が多い)に委託するとか、設計の大部分を外部に委託してしまうとか、平たく言うともう自分たちで汗流して働くのは面倒だから、そーゆー面倒な事は外部の他の会社にやってもらって自分たちは楽をしましょう、なんて考えていたらそんなゲームを昔からやっている欧米企業にすっかり負けてしまったのが今の現状だと思います。

そもそもアウトソーシングしてコストが下がると言う事はですね、派遣会社が中間搾取をしてより安い労働力を派遣して来るのですから、人材の質が下がらないわけが無いですし、愛社精神を持ちたくても持てないんですから、一体何を考えて製造現場の人材をアウトソーシングしたかというと、人件費を下げたいとか株主の意見だとか、まぁ人によっては良い製品を作ろうと思っていないと感じる人も居るのでは無いでしょうか?

で今(2017年)は揺り戻しと言いますか、まぁ人材派遣会社が人材確保出来なくなっているとか、やっぱり自社内で社員を教育して育てることの大切さに気がついた企業も多いのではないでしょうか?

かつて経営の神様と呼ばれた松下幸之助さんは、お宅は何を作っている会社かと聞かれましたら、うちは人を作っていると答えたのは有名な話ですが、製造に直接かかわる労働者をアウトソーシングしたら、人を作っていると胸を張ることはできなくなりますよね?

近い将来は人工知能とか搭載製造ロボットのレンタル(アウトソーシング?)

かなり高い確率で資金力有る人材派遣会社が人の確保は難しいし、急に病気になったとか辞めるとか生身の人間を管理するのは、あまりに大変なので・・・という事でよく考えた結果、人工知能を搭載したロボットを貸し出しますので、2時間の講習だけでベテランと変わらない即戦力を用意できます、みたいな事になるのは間違いないでしょうね?

まぁといいますか省力化とか人員の削減を最も進めてきて最先端なのが製造現場ですから、アウトソーシングじゃなくても機械化や人工知能化がどんどん進んでくるのは間違いないことで、無人工場が当たり前になる・・何だか空恐ろしい未来に感じるのは工場労働者だけでなく、大部分の方がそう感じるのではないでしょうか?

追伸

危険な仕事ですとか劣悪な環境での労働の多くは機械やロボットに置き換えられて来たのですが、結果として職を失う労働者ですとか、危険で劣悪な環境だから高給だったのに、普通の賃金になってしまったから機械化なんてしないほうが良かった・・という事もあります。

このあたりの考え方と現実は中々複雑だったりするのです。