このコラムを書いている時点での話しになりますが、人が物を見て認識するとか手で触れて認識するといった情報は電気信号によって脳に伝わって認識しているという事ですから、近年急激に発達している仮想現実(バーチャルリアリティ)がもう少し発達してしまえば、意外と簡単に人の脳は騙されてしまって、現実と仮想現実の境目がなくなってしまうのに、それほど長い年月を必要としない段階まで来ているように感じます。

まぁ既に仮想現実が現実に置き換わっている事例も出ていて、もう年々も前から自動車教習所では実際の高速道路での高速教習をシュミレーションで代用している教習所も出ていますし、飛行機の操縦取得においても、訓練の中心はコンピュータシュミレーションによる、バーチャルな操縦訓練が稼動して、パイロットを教育しているのが現実ですよね?

シュミレーションの世界で練習して現実社会で実践しても何の違和感も無いですし、むしろ現実の教習では危険で出来ない状況でも、シュミレーション教習では実現可能ですから、むしろ教習生により高いレベルの技術を習得してもらう事が出来るようになりますね。

バーチャル

話題をものづくり(製造業)方面に移動します。

ここに書くまでも有りませんが、自動車でも飛行機でも船舶でもものづくりの現場においては、もはや設計の中心は(あくまでも設計ですからね)、パソコンの中になっていますよね。

部品も組み立ても実際に稼動させての確認も全てパソコンの中にある仮想現実のシュミレーションでしかないのですが、それによって飛躍的に設計期間が短縮されて・・・とまぁ設計の段階までは既に主力だと言っても過言ではないと思います。

ただこれが更に進みますと、今実際に身の回りにあるテレビも携帯電話もゲームも玩具も全て、バーチャルリアリティの中にのみ存在しているという状態が現実になる可能性が非常に高くなっていると思います。

例えば何十年前とか場合によっては何百年前に絶版になっているような、物であっても当時の設計図や場合によっては写真があれば、多大なコストをかけなくてもバーチャルな世界で再現ができて、実際に使ってみる事が出来るようになりますね。

つまり購入して自分の手に取るという行為が、現実(リアル)でなくてバーチャルでも事足りるなら、仮想現実の中だけで大丈夫といった事例が増えてくると予測されます。

少量ならぬ一品物多品種時代が来る

という事は誰にでも予測できると思いますが、その鍵を握る一つに3Dプリンターの発達がありますが、複雑な加工が出来るようになるという事と3Dプリンターで成型できる素材の種類がどう増えてくるかだと思います。

将来的に樹脂や金属といった複数の素材をセットして出力できる3Dプリンターの登場によって、製造のスタートはまず仮想現実の中で始まって、試作品は3Dプリンターというのが一般的になるのではないでしょうか?

勝負

今よりも資金力を必要とする時代?

仮想現実は非常に身近な存在になりましたが、現実社会に匹敵するというか見間違えるほどのクオリティを出そうとしますと、相当強力なコンピューターは必要ですしシュミレーションソフトにかかるコスト、など億単位になってくる可能性も高いわけです。

そんな事になりましたら、いまよりもより資金力の問題という現実が迫ってくるかもしrてませんが、別の考え方をしますと製造工場を持たなくてもよりアイデアや発想力でものづくりの世界で勝負できる日が来るのかもしれませんね。

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