抱えている仕事が目一杯あって機械はフル稼働状態だけど利益が会社に残らないとしたら、それは誰が考えても暇で儲かっていない状態よりも会社の経営状態としては危険な状態です。

何らかのトラブル、例えば工作機械が故障したり従業員に欠員が出た時にカバーする余裕が無い状態ですから、アクシデント発生で顧客の信用を失ってリカバリー出来ない事態になってしまうからです。

ABC分析とは?

今回は古くからあるマーケティング手法のひとつABC分析【実際には4段感にする場合が多いですからABCD分析かもしれません】を取り上げてみようと思います。

このABC分析とは既にある顧客を4段階に分類して、沢山の発注を出してくれて尚且つ粗利を確保させてくれる上得意のお客様をA(Sとする場合も有りますが)として、4段階にランク付けして対応を考えるという手法です。

顧客をランク付けしたら、使い方は2つです。

もっと大きな目的として自社の現状を把握するという事がありますが、一般的には以下の2つが顧客ABC分析の目的です。

  1. 顧客のランクに応じて対応を考えたり提示する金額を変化させる
  2. 顧客を一つ上のランクに上げるために、何をすれば良いのかを考えて実行する

もちろん大切なのは二番目の作業です。

コンプライアンスに抵触しない範囲での接待営業という方法もありますし、他社の納入状況から考えて自社の提案を考えるとか色々あると思いますが、既にそんな事はずっとやっているという場合も多いと思います。

それに、そもそもBランクからAランクに上げようと考えても、元々納入は全て当社からの納入だし、会社の規模から考えてもこれ以上の取引拡大は難しいという場合も多いですからね。

さてこの顧客のABC分析を何年も続けていると解る事があります。

それは常に新規顧客を開拓して補充していかないと、顧客の絶対数が減ってしまうということです。

そのためには常にCランクとかDランクの顧客を補充しつつ、その中からランクアップさせていく事が必要という事です。

特に受注への対応が追いつかなくてフル稼働な状態の時ほど、顧客を何らかの方法で分析して将来に備えるという事が必要なのでは無いでしょうか?

5年後10年後も今と取引先が全く変わらないという事は絶対にないのですからね。(一説によると会社の寿命は良くても20年と言われています。)

お客様の分析なんてと思われる方も中にはいらしゃると思いますが、やっておいて損はないのでは無いでしょうか?

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