低い離職率と難しい出世と独立
製造業の離職率は日本全体の平均よりも非常に低くて、平均の半分程度ですから長く務める人が多いという良い職場と言えますが、正社員としての就職が非常に狭き門または待遇が良くない職場になってしまったと思います。
コスト削減の圧力が高くて、しかも競争しているのが日本国内の同業者だけでなく、人件費が日本よりもずっと低い東南アジアの各国なのですから、一部の人を除いて製造業で働く人の収入は低いというイメージと実態もそうなっていると思います。
さて製造業(工場)での働くということは基本的に定時で帰れて、残業になればちゃんと残業代が支払われてという良いところがある反面、出世が遅いとか給料が平均よりも低いとか、何となく女性にモテないイメージが有るとか、良い面が有るけど悪い面もあって真面目にコツコツ働く人に向いているイメージですよね。
そして製造業で働いていて将来は独立して自分で工場を経営するという野心を持っている人が非常に少なくて、後継者が居ないので会社を畳んでしまうという状況も出ています。
まぁ飲食店で独立するのと較べて機械の導入などで多額の初期投資が必要ですし、銀行は簡単にお金を貸してはくれませんし、何より独立する人が初期投資という多大なリスクを背負ってスタートで、尚且つ派手に儲かったり短期間で株式公開出来るような業界じゃないですから、独立したい人が少なくて将来が非常に厳しいといえるでしょう。
かつては、ゆりかごから墓場までと言われた業界は何処に行った?
かつての大手製造メーカーで働くというのは、給料もそこそこだし他の業界よりも給与水準は低いし、退屈な仕事だけで、入ってしまえば揺りかごから墓場まで面倒を見てもらえるという安心感が有って、それが日本の強い製造業を支えていたと思うのです。
会社は従業員の生活を守って従業員は愛社精神を持っている理想の状態だったわけです。
製造業へ派遣労働解禁は間違いだった?というコラムを前に書いた事が有りますが、派遣の人も真面目に一生懸命働いている事は間違いないのですけど、やっぱり安心して働けるという砦がないと、出世は遅いし独立も難しい業界としては人手不足の解消が難しいと思うのです。
それを率先して破壊したのはかつての小泉-竹中ラインだと私は思うのです。
トランプ大統領が誕生してTPPも立ち消えになりそうですし、かつての日本製造業の復活を願いたいものです。
今ならまだ復活の望みは十分残っていると思うのです。
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