今回は再びベトナムで現地法人を立ち上げて3年目になる、OTS DEVICE VIETNAM の社長に後悔しない設計アウトソーシングについて伺いました。

前回記事
明日ベトナムに戻られるという忙しいタイミングでありがとうございます。

日本での知名度も上がってきましてホームページからの問合せが増えて取引開始した企業様も随分と増えてきましたので、約2週間かけてお得意様に挨拶回りをしてきたところです。

日常的な業務は通信手段も発達した現代ですから何ら支障なく遂行できるわけですが、やはり直接会って顔合わせするとアイデアも出ますしお客様とのコミュニケーションも深まりますので、これから日本に戻ってくる事も増えるのではないでしょうか?

まぁ急な設計変更など日常茶飯事な状態ですからたまに日本に帰ってきてコミニュケーションをとっておくことで顔が見える相手柄のメリットが出てくるのではないかと勝手に考えていたりします。

日本から設計の依頼が増えているとの事ですが、単刀直入に失敗しないポイントなどありましたら教えて下さい。

ちょっと簡単に雑なスケッチを書かせて貰います。

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手近にあった裏紙だったので・・トレースしました。

設計というと頭に浮かぶイメージは人それぞれだとは思いますが、実は結構範囲が広くて図にすると、こんなピラミッド型の三角形が分かりやすいと思います。

三角形の一番上の部分がモノづくりのスタートラインと考えてもらえば分かりやすいと思いますが、構想から始まって基本的にどんなモノを作ろうかといった形が出来るまでの上流部分が有りますが、ここはモノづくりの生命線といいますか、要なわけですからここまで外注に出そうとすると必ず失敗します。(笑)

ですから基本的に依頼があってもお断りしています。

設計を外注して失敗しない肝は切り分けを明確に行うことです。

ピラミッドで説明しますと下の部分、僕らはバラシとか呼んでますけど具体的に部品レベルに落とし込んで物が作れるようになるまでの図面を起こしていく作業・・実際に汗は流しませんが力仕事と言われる部分を切り取って外注する事が失敗しないポイントになりますね。

ここは時間換算でコストを算出する作業の部分になりますから、日本で時給にすると最低でも1500円は必要なコストが半分以下になってくるわけです。

この線引を明確に分かっていないと失敗する確率は非常に高くなってしまいますね。

前のインタービューの時にもお話しましたがベトナム製造業の層はまだ浅くて構想から初期段階の設計をするにはまだ時間がかかるというのが現状ですからね。

逆にこの辺りまで日本に追いついてきたら、それはそれで困るわけですけどね。

最後に日本で設計のアウトソーシングを考えている企業の方へ一言

物品を行き来させるわけでは有りませんから関税も不要ですし、外注できる部分は上手に外注して、浮いたマンパワーを構想部分の設計に振り分けて頂ければWin Winの関係が構築できるのではないかと思います。

本日はお忙しいなかありがとうございました。

OTS DEVICE VIETNAM 代表:鶴岡 宏一氏

インタビュアー:Production Compass 管理人 田中 勝

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