損して得は取れない?
諺に損して得取れというモノが有りますが、最初に損をした分を後の取引で取り戻す事が非常に難しい時代になったのでは無いでしょうか?
大きなところで系列の廃止ですとか量産になると海外にみたいに試作品段階で無理をして頑張ってノウハウを全部出して安く作ってあげても、一回限りのスポットな発注になってしまうという事です。
もちろん優れた技術で試作品の作成専門に少量多品種生産で確固たる地位を築いていらっしゃる製造工場も数多くありますが、量産の仕事が受注できなくてスポット受注ばかりで売上が安定しないで困っているところも少なくないようです。
私の経験上、売り手と買い手の立場というのは最初の取引で決まってしまって、その立場を逆転させる事は非常に難しいと思います。
そんな事を言っても下手にでて安くしないとスポットの仕事も取れない・・
確かにそうかもしれませんが、営業上手は断り上手というコラムを前に書きましたが、単に金額だけで発注を決定するところは、更に安い発注先があればさっさと発注先を変更してしまいますし、経験上最初から厳しい交渉をしてくる相手と言うのは最後までそんな感じですね。
まず問題なのは営業というと安売りの提案しか出来ないという状況や需要と供給の関係で供給力のほうが上回っているではなく、どうすれば利益を最大限に確保できるかに知恵や演技力や演出にまで考えていない場合が少なくないと思います。
例えば暇でも忙しそうに見せるですとか、どんな営業トークや販促資料を相手に見せれば自社の技術が素晴らしくて、他社よりも高い単価で発注する価値があると思わせるか等々の、商売をする上での高く売るための努力が足りていない場合も多いように感じるのです。
損して得を取るのも取れないのも最初が肝心
たとえそれが口約束レベルであっても、仕事を受ける側が意識しているかどうかというのはあとになって非常に大きく結果に違いが出てくるものです。
赤字受注は絶対にしないと会社として決定するのも経営者の意志だけの問題で、それを貫けるかどうかだと思います。
少し過去数年間の受注を振り返ってみまして、無理して赤字受注をしてしまってもちゃんと後で取り戻せているかどうかを検証してみるのも必要だと思いますし、損して得が取れていないとしたら得して更に得を取るという考え方に舵を切る必要があるのではないでしょうか?
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