ベネフィットと新規営業
ベネフィットとは?【購入して】使う事になった場合の得られるメリットという意味です。
特に大衆消費財を販売する場合には特に重要で、お客様は商品を購入するわけではなくベネフィットを購入する事が目的と言われています。
少し具体的に書いてみます。
例えば携帯電話を買い換える事を考えてみてください。
既に携帯電話は所有していますから買い換える事によって、画面が大きくなって見やすくなるだとか、ネットの閲覧が楽になるだとか、何らかのベネフィットが有るから買い換えるわけです。
別に携帯電話が欲しいわけでもなく買い替えによって何かが変わるベネフィットが有るから買い換えるということですね。
新規顧客開拓でベネフィットを説明出来るか?
もし貴方の会社が持っている製品や加工技術を欲しがっている相手であれば、買い手が自らベネフィットを持っているわけですから、こちらからあえてベネフィットを説明する必要は・・・あります。
逆に言えばそんな相手にこそしっかりベネフィットを説明することで受注率も単価も高くする事が出来るのです。
少量多品種・受注生産の加工はベネフィットのアピールが難しい?
金属材料を曲げたり穴を開けたり溶接したりといった金属加工の場合、依頼者の要望通りに素早く正確に加工して安く提供する事がベネフィットの全てになってしまいますね。
しかしベネフィットを相手に訴える事の目的はより高く購入してもらう為ですので、もう少し考えてみましょう。
前に価格の決定方法というコラムでも触れましたが京都には会席料理という伝統があります。
これは少ない材料でより高いお金を取るために考え出されたと聞いたことが有りますが、この大根は何産でこの鰯はどこの海で取れて、ついでに器は信楽焼等々、材料の仕入れは普通に市場で仕入れているのですけど、いちいち説明されて小出しに出てくると何だか凄いことをやっているように感じてしまうわけです。
そう言えば日本にとある米国車ディーラーが入ってきた時に、何も特別な事でもなんでもない塗装を、これは三回塗装しているんですよと、さも凄いことをやっているようにアピールしていた事を思い出しました。
人を売り込む事を絡ませてベネフィットを作り出すとか・・
わが社の加工を受け持つ社員は入って1年間はこんな修行をさせて、社内の技術試験に合格しないとお客様の加工はやらせないのです。
それに品質管理はこんな事を徹底しているから不良率はゼロに近いですし、機械の保守メンテナンスもこんな事を徹底しています。
だから、納期に遅れることも無ければ不良品をご納品する事もありませんから、貴社の品質管理にも非常に貢献する事が出来るのです。
ベネフィットの内容は自社の状況に合わせて適切な内容を考えて頂く必要が有りますが、同じ金額だったらこっちにお願いしようとか、少しくらいの価格差だったらベネフィットを提供してくれるあっちに発注しようとなるように頭に汗をかくという事も時には必要なのでは無いでしょうか?
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