今朝のニュースでTPPの発効を見据えて海外からの直接投資を促進するために規制緩和を行うというニュースを耳にしましたが、それが日本の発展や反映に繋がる政策なのか首を傾げた人も少なくないのでは無いでしょうか?

そもそも既に上場企業の少なくない数が株主構成で過半数が海外資本になってしまっていて、実態は日本企業かどうか怪しい企業が多くなっていますからね。

私の頭にある単純な図柄では海外からの直接投資が増える→日本国内に外資系企業が増える→供給過多によるデフレの進行や、従来の国内企業の業績圧迫ですとか、既存の日本企業の株式が海外で買われて気がついたら日本企業では無いくなっているとか、最終的な利益が配当の形で海外に流出するといったネガティブな図式しか頭に浮かばないのです。

各国通貨に対する疑念

一応、建前上はIMFによってコントロールされているらしいのですが、通貨というのは通貨発行権を持つ国家が自由に発行できる状態で、IMF加盟国の中には自国の通貨発行量を把握出来ていないような国もありますし、そもそもアメリカが国際乱発によって(日本が多くの国債を購入させられていますが)ドルを無尽蔵に刷りまくっているのが現状なんですから、日本のように真面目に通貨供給量を適度に絞り込んでいる国と同じ土俵で資本移動をしてしまうと、あっという間に日本が侵食されてしまうのでは無いでしょうか?

FRBの不思議

世界金融における基軸通貨といえばUSドルになりますが、何故かアメリカ合衆国政府から独立した形で、その所有者は民間銀行の集合体、つまり民間人が通貨発行権を持っているような、摩訶不思議な運営状態になっているようです。

そのFRBがIMFの中心的な存在ということはアメリカの民間金融機関が世界金融を司っている状態なのですから、この状態が是正されないまま日本が海外からの直接投資の規制を緩和するというのは、日本の製造業のみならず、日本国全体にとってもメリットよりもむしろリスクのほうが大きいと感じます。

日本は輸出立国じゃない

小学校の頃に日本は海外から原料(材料)を輸入して加工したものを海外に販売している貿易立国といった事を教わった人も多いのではないかと思いますが、データで見る限りそれはかなり現実と違ったいたようです。

海外との貿易が始まった明治維新による開国から、日本のGDP(国内総生産)に輸出分が占める割合は高くても10%台後半で20%を超えたことは有りません。

つまり日本は昔から内需立国として高いGDPを記録しているのですから、貿易に頼る必要もなく内需だけで先進国としての経済状態を維持できるのです。

内需拡大と国内の景気循環を再優先に考えるべき

別に海外から投資を呼びこむ必要もなく日本国内には多額の資金が有って、行き場がないから国債の購入に使われているのが現状ですよね?(だから日本の国債は世界最低レベルの金利を維持している)

国内に資金が無いのではなくて、単に行き場がなくて滞留しているだけなのですから、この滞留している資金を動かす方向に政策の舵を切らなくてはいけないと思うのです。

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