銀行本来の役割といえば資金を貸し出して世の中にマネーを循環させる事が本分なわけですが、小泉政権誕生からの銀行といえば、不良債権の処理に始まり低金利(というかデフレ状態)が続く中で、積極的な融資から背を向けて、国債の購入と手数料収入の確保に走っているのですから国内にマネーが循環するわけはありませんよね?

同じく商社の本分というのは供給サイドと需要をマッチングしたり需要を創造する事によって利益を得る事が本分なわけで、単なる卸問屋としてモノを流通させているだけでは商社としての機能を発揮していないとも言えるでしょう。

さて本サイトの運営母体は機械工具の専門商なわけですが、インターネットの普及によって情報は瞬時に拡散しますし、メーカーが直接情報を発信できる環境になってきたわけですから、単に供給サイトと需要に関する情報を持っているだけで昔のような商売が出来る時代ではなくなってきている事を考えなくてはいけませんね。

以前にGNP営業に関するコラムを書きましたが、ITですとかAI(人工知能)ですとか量子コンピューターの登場や音声認識の飛躍的な向上によって、希望をマイクに向かって話しかけるだけでAIが合致する情報を探し出してきて、一覧にして出してくる事は言うに及ばず問い合わせして、結果までを自分で集計して発注まで行ってしまうような時代が目の前まで来ていると言われていますが、人が対抗できる手段の一つがGNP営業ではないかと思っているのです。

※GNP営業とは義理(G)、人情(P)、プレゼント(P)の略です。

世の中の流れはコンプライアンス云々ですとか効率重視ですとか過去のしがらみを断ち切ってですとか、むしろGNP営業を排除する流れになっているわけですが、別にコンプライアンスに触れない範囲で出来ることは沢山あると思うのです。

これは数多くの企業経営者の方に接してきて非常に強く感じる事ですが、本当に良い製品を作り出しているのに何故か受注に苦労している経営者の方ですとか、何故か仕事の話が集まってくる社長ですとか、その違いを良く観察してみますと、無意識のうちにGNP営業を実践しているかどうかの違いのような気がするのです。

良い製品を作る事は当然ですしネット戦略をはじめとしたマーケティングを勉強して実践することも、効果的な営業手法や新規顧客開拓につながる事も多いと思いますが、日本古来のGNP営業を見直してみるという事も必要だと思いますし、もっと取引先との関係が円滑になるのではないでしょうか?

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