製造業の資格は様々? 持っていると有利になるオススメの資格と手当について解説してみた!
製造業は種類が様々であり、業務内容によって活かせる資格の種類もさまざまです。有資格者であれば特別手当が支給され、転職の際も有利になります。つまり、資格取得することはキャリアアップにつながります。
今回は製造業と資格について解説します。
資格の種類
資格の種類は以下の通りです。
国家資格
1つ目は「国家資格」です。
国や機関が能力や知識、技能などが基準に達していることを認定します。
国家資格は、民間資格に比べて取得は難しいですが、社会的な信用が高いため、職業につながる資格といえるでしょう。
民間資格
2つ目は「民間資格」です。
民間の団体や企業がそれぞれ独自の基準を設け、試験でその基準を越えれば取得できる資格のことです。
国家資格と同様に、知識や技能があるものとして広く知られている資格や、直接職業に結びつく資格も多くあります。
・特別教育:学科試験に合格すれば資格取得
・技能講習:学科試験と実技試験に合格すれば資格取得
難易度は特別教育<技能講習<国家資格となっています。
資格を取るメリット
資格を取るメリットは以下の通りです。
収入が増える
1つ目は「収入が増える」ことです。
勤務先で役立つ資格を取得すると資格手当がもらえ、会社によっては資格取得にかかる費用を負担してくれることもあります。
資格手当は正社員以外にも契約社員、アルバイトの方にも付与される場合もありますので、収入を少しでも増やしたい方にはオススメです。
採用の合格率が上がる
2つ目は「採用の合格率が上がる」ことです。
採用側は「資格を持っている=即戦力になる」と考えるため、採用率は他の方よりも高くなります。
また採用に有利な資格を取得することによって、他部署への移動や他の工場への転職をしたい場合にも強い武器となるでしょう。
特別教育に合格したら取得できる資格
事業者は、危険又は有害な業務に労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための「特別教育」を行なわなければならないと定められています。
作業可能な範囲が限られているため、機械の規模が小さいものに限られ、現場の責任者になることはができないなどの制約があります。
特別教育に合格したら取得できる資格は以下の通りです。
アーク溶接
1つ目は「アーク溶接」です。
アーク溶接は、電気を利用して金属をつなげる仕事に必要な資格です。
アーク溶接は多くの現場で使われているので、持っていると仕事を見つけやすくなるでしょう。
特に金属を扱う現場は多いのでとても役に立つ資格です。
フォークリフト特別教育
2つ目は「フォークリフト特別教育」です。
フォークリフトの資格は二種類あり、最大荷重1トン未満のフォークリフトを扱う場合はこの資格取得が法律により決まっています。
この資格は高校生でも持っている人が多く、18歳以上の人は最大荷重の制限のない資格を取得した方がいいでしょう。
クレーン運転士免許(5t未満限定)
3つ目は「クレーン運転士免許(5t未満限定)」です。
クレーン運転士免許(5t未満限定)は、規模の小さいクレーンを運転する資格です。
合格率が非常に高いことが特徴です。
技能講習に合格したら取得できる資格
技能講習は、作業可能範囲が大幅に広がるものが多くの現場ではとても重宝される資格です。
試験により一定の能力が身についたことが証明されると資格を取得することができます。
技能講習に合格したら取得できる資格は以下の通りです。
ガス溶接
1つ目は「ガス溶接」です。
ガス溶接は、アセチレンと酸素を混合させ鉄同士の接合を行うための資格です。
この作業も製造業の現場では必要とされていることが多いのでとても工場では需要があります。受講資格は満18歳以上です。
銀ろう付け
2つ目は「銀ろう付け」です。
銀ろう付けは、ガスバーナーとトーチを使った溶接に必要な資格です。
ロウという金属を溶かして金属同士を接合します。
銀ろう付けを受験するには条件があります。
・1ヵ月以上ろう付技術を習得した15歳以上の者で、かつ、次の事項のいずれかを満足していること。
・労働安全規則に基づく「ガス技能講習」を修了している。
・在学中の高等学校または職業訓練機関において1と同等の安全教育・技能講習を修了している。
・ガス溶接作業主任免許を取得している。
フォークリフト運転技能者
3つ目は「フォークリフト運転技能者」です。
フォークリフト運転技能者は、最大荷重の制限がないフォークリフトを運転するための資格です。
最大荷重1t以上のフォークリフトを作業するには技能講習というワンランク上の資格を取得しなければいけません。
現場で作業する場合、このレベルの資格が必要となって来るのでフォークリフトの資格取得を考えている人はこちらの資格取得をオススメします。
玉掛け技能者
4つ目は「玉掛け技能者」です。
玉掛け技能者は、クレーン車にフック掛け&取り外しをすることができる資格です。危険を伴う作業のため、資格取得の難易度も割と高度なものになっています。
この資格がなければ仕事にならない現場もありますので、希望する現場によっては必要不可欠な資格となるでしょう。
ただし、玉掛け技能士はこの資格だけでは自分でクレーンの運転はできません。
玉掛け技能士とクレーン運転士免許の両方を取得しておいた方が良いでしょう。
クレーン運転士免許
5つ目は「クレーン運転士免許」です。
クレーン運転士免許は、つり上げ荷重が5t未満を含む5t以上のクレーンを全て操作することができる資格です。
国家資格に合格したら取得できる資格
国家資格に合格したら取得できる資格は以下の通りです。
危険物取扱者
1つ目は「危険物取扱者」です。
危険物取扱者は、危険物の取り扱いや、その立ち会いの際に必要な資格です。この資格を有していると、ほとんどの場合、職務手当を受け取ることができます。
危険物は多岐に渡るため、危険物取扱者の資格は以下の通りに分かれます。
・甲種
・乙種
・丙種
さらに乙種では第1類~第6類に細分化されています。
甲種については、必要な受験資格は以下の通りです。乙種・丙種については不問です。
・大学等において化学に関する学科等を修めて卒業した者
・乙種危険物取扱者免状の交付を受けた後、危険物製造所等における危険物取扱いの実務経験が2年以上の者
・乙種危険物取扱者免状を有する者で「第1類または第6類」「第2類または第4類」「第3類」「第5類」の4種類以上を取得している者
・修士・博士の学位を有する者
衛生管理者
2つ目は「衛生管理者」です。
衛生管理者は、作業場の衛生面を管理するための国家資格です。一定規模以上の職場では衛生管理者の設置が法で定められているので、どんな職場においても需要がある資格です。
衛生管理者の種類は以下の通りです。
第1種:有毒業務を含むすべての業種に携わる
第2種:特定業種に限定される
受験資格は以下の通りです。
・大学、高等専門学校卒業者で、1年以上の実務経験者
・高校卒業者で、3年以上の実務経験者
・10年以上の実務経験者
電気工事士
3つ目は「電気工事士」です。
電気工事士は、電気機械の専門的な知識と技能を有するものに都道府県知事から交付される国家資格です。
電気工事士の種類は以下の通りです。
・第一種電気工事士
・第二種電気工事士です。
主にエアコンの修理や設置は第二種電気工事士でも作業可能なので、取得しているだけで働き口を探しやすくなる資格です。
受験資格はとくにありませんが、第一種電気工事士の場合は電気工事士としての実務経験が必要となります。
電子機器組立技能士
4つ目は「電子機器組立技能士」です。
電子機器組立技能士は、電気機器の組立や調査・検査などを行う資格です。
特級から3級まであり、3級以外は実務経験が必要です。
学科試験と実技試験があり、実技試験ではプリント配線板への電子部品のハンダづけ作業が主に出題されます。
機械保全技能士
5つ目は「機械保全技能士」です。
機械保全技能士は、現場の機械の修理などを行うための資格です。
特級、1級、2級、3級の等級があり、3級以外は実務経験が必要になります。
資格手当
資格手当とは、特定の資格を保有している、あるいは資格試験に合格した場合企業から支給される手当のことです。法律上の規定はなく、資格手当の有無や支給条件は企業ごとに異なります。
資格手当は大きく分けて以下の通りです。
資格手当
1つ目は「資格手当」です。
資格を取得してから毎月もらえる手当です。企業の規定や資格によっても異なりますが、1,000円から5万円の金額を毎月の給与と一緒に支給されます。
合格報奨金
2つ目は「合格報奨金」です。
資格を取得したときに一時金としてもらえる手当のことです。
合格のお祝い金として一度しかもらうことができませんが、毎月もらえる資格手当よりも金額が高い傾向にあります。こちらも企業や取得資格によりますが、5,000円から20万円程度の支給が一般的です。
資格手当相場
製造業の資格でもらえる手当の相場の一例は以下の通りです。
・危険物取扱者:
丙種:月額1,000円
乙種:月額1,000円
甲種:月額1,500円
・衛生管理者:月額1,000円~3,000円
・電気工事士:
第一種電気工事士:月額3,000円~50,000円
第二種電気工事士:月額1,500円~30,000円
・機械保全技能士:月額10,000円
まとめ
製造業と資格について解説してきました。以下、まとめとなります。
・資格は国家資格と民間資格(特別教育、技能講習)があり、難易度は特別教育<技能講習<国家資格となっている
・面接時に資格を持っていると、採用側から即戦力になると思ってみてもらえるので、採用率は他の方よりも高くなる
・資格を保有していると、資格手当が毎月もらえて収入が増える
製造業には数多くの資格が存在し、そのすべてを取得するには時間も費用も必要です。そのため、今の自分に何の資格が必要で、その資格を保有しているとどういうことができるのかを見極めて選択するのがいいでしょう。業務で取得できる資格もありますが、少し時間に余裕がある方はぜひ資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。